購入前に知っておきたい「住宅ローン減税(控除)」の条件と手続き方法
マイホーム購入時は、頭金や諸費用がかかってどんどんお金が出ていくばかりです。
35年の住宅ローンも組んだことだし、これから毎月支払いが大変…と、頭を抱えている方は多いでしょう。
国は不動産市場の活性化を促す策として、住宅ローン減税を導入しています。
そこで今回は、住宅ローン減税の条件と計算方法、手続き方法についてご紹介します。
住宅ローン減税(控除)とは
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、住宅ローン減税が受けられます。
毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除(所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除)され、最大400万円(10年間合計。長期優良住宅、低炭素住宅の場合は最大500万円)減税されます。
この住宅ローン減税は誰でも受けられるわけではなく、いくつかの条件を満たしていることが必要です。
主な条件は以下の通りです(記載以外の条件もあり)。
・その物件に自ら居住すること
・住宅取得後6カ月以内にその住宅に入居し、この控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること
・登記簿上の床面積が50㎡以上で、2分の1以上の部分が自己の居住用であること
・この控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下であること
・中古住宅の場合、耐震性能を有していること
平成29年3月時点で住宅ローン減税を受けられるのは、平成33年12月末までに入居をした場合という条件付きの時限立法となっています。
延長される可能性もありますが、いずれにしても今なら控除が確実に受けられます。
購入を考えている方は、このタイミングに具体的に話を進めておくといいでしょう。
住宅ローン減税の計算方法と認識しておきたいこと
控除額は10年間で最大400万円と記載しましたが、これは借入金などの年末残高の限度額が4,000万円で控除率が1.0%という条件から導きだされた数字です。
年間は最大40万円となり、控除期間は10年のため最大400万円ということになります。
ただ、これはあくまでも最大値です。ローン残高が4,000万円を切れば、その残高×控除率1.0%となります。
毎年40万円もらえるのは、あくまでもローン残高が4,000万円以上あるケースのみです。
また、住宅ローン減税において注目したいのは名義を共有にした場合は名義人全員が、この控除を受けられるという点です。
例えば、夫が4,500万円の借り入れをした場合は、500万円分は控除の対象外となってしまいますが、夫3,000万円、妻1,500万円で借り入れをした場合は、4,500万円がフルで減税対象となるので、戻ってくる金額も変わります。
この点も視野に入れつつ、購入時の名義をご夫婦で話し合ってみると良いでしょう。
条件などもあるため、詳細は不動産会社にしっかりと聞いておきましょう。
住宅ローン減税の手続きについて
住宅ローン減税はローンを組んだら受けられますが、自動的に控除されるわけではありません。
購入者が住宅を購入した翌年の確定申告時期に、住宅ローン減税の手続きをする必要があります。
普段確定申告をする機会のないサラリーマンの中には、確定申告の方法がわからない方もいるでしょう。
確定申告は、必要な書類をそろえて管轄の税務署に届けるだけですので難しいことはありません(郵送やインターネットでの手続きも可)。
ただし、書類に不備があると受け付けられませんので、事前に税務署に確認して不備のないようにしておきましょう。
確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日(異なる年もあり)です。
3月15日に近づくにつれて申告が集中し、待ち時間が長くなるため、早めに手続きを済ませましょう。
サラリーマンの場合、2年目以降は年末調整控除を受けることができます。
この場合、会社へは、銀行から送られてくる「残高証明書」と、確定申告後に税務署から9年分まとめて送られてくる「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」の1年分を控除期間内毎年提出します。
おわりに
今回は、住宅ローン減税の条件と計算方法、手続き方法についてご紹介しました。
住宅ローン減税を受けるためには、初年度は自ら確定申告をしたり、2年目以降も年末調整時に書類を提出したりといった手続きが必要です。
特に、9年分送られてくる「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」は1年に1回しか使用しないので、保管場所を忘れて住宅ローン減税の手続きを失念してしまう方もいらっしゃるようです。
また、制度が改正されることもあるので、常に情報を収集し、不動産会社の担当者などに相談するなどしておくと安心でしょう。
(平成29年4月)
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